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「第22回関東甲信越少年少女レスリング大会」について

 2014年2月23日(月)は「第22回関東甲信越少年少女大会」に、TEAM BISON'S by SENSHU UNIV.から21名の選手が出場し、1名が優勝、4名が3位入賞という結果であった。

 昨年度のこの大会は優勝者1名と3位入賞1名であったが、今年度は優勝1名と変わらずだが、3位入賞者は4名と入賞者が増えたことは評価できる。続いて試合内容。ポイント奪取の場面で多く見られたのはがぶりだった。がぶりの基本動作である「落とす→相手の横につく→押し込む→コントロール」はうまくできていた。逆にタックルでのポイントは少なかったと感じる。タックルからの技術展開を身につけるため、今以上の工夫ある練習を実践していく必要がある。

 そしてもう一つ。この大会でのコーチングでは、選手本人の個性を尊重したコーチングを実践することを心掛けた。リフレクションである振り返りを重要視。「個性の尊重」とは自分が何でポイントを取るか確認し、それを支援すること。勝つための戦略ではコーチからの様々なアドバイスが必要であるが、本人が納得した作戦こそ自分の腑に落ちて行動しやすいと考える。そして試合終了後、結果に問わず、「自分は今何を感じているのか、ポイントを獲った時どう感じたか、ポイントを獲られたときどう感じたか、勝った時どう感じたか、負けた瞬間何を思ったか、当初の戦略は通用したのか」等、内省させる。決してこちらから回答を求めないように心掛け選手の心の声を聞いた。質問を繰り返し内省させ続け、自分の課題を明確に口にして、課題克服のための自分のあり方を考える時間を多く設けた。これがリフレクションである振り返り。選手は何を感じただろうか。我々コーチは技を教えることや勝利のための戦略のアドバイスはティーチングできる。やり方は教えることができる。ただやり方をどう使うかは選手であり、様々なテクニックをどう使うかは自分で決める。

 選手への決めつけの発言が当人の成長にどう影響するのか。選手が自発的に考え、動いた結果は当人の成長にどう影響するのか。内省し続けた先にある勝利から学ぶものは。スポーツを通じた人間教育の先にあるものは・・・深く考えることは多いが、少なくとも今大会から子供達が学んだ気づきは、本人たちの大切な価値観に繋がっているのではないかと考える。

2014.2.24 木村&堂端