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示されたデータの使い方ー研究報告の活用ー

2023年がスタートしました。

記念すべき新年のスタートを迎えるにあたり、新たな研究論文が発刊されました。

この研究で明らかになったことは、「全国大会で活躍する男女の間には、体力・運動能力の種類によって性差が存在する可能性がある」ということです。また、「レスリングのタックル動作(厳密に言うとタックルを習得するためのトレーニング)には、男女で関係する体力・運動能力が違う可能性がある」ということも示唆されました。

これらの詳細は、公開された論文の要約や本文に記されています。論文のアクセスにはこちらをクリックしてください。

これらの研究報告は現場ではどのように活用することができるのでしょうか。そのことについて、少し考えてみたいと思います。

まず一つに、全国大会で活躍するために、今回の論文で示された体力・運動能力のデータを一つの指標として捉え、これらのデータを参考にして練習に取り組むことが重要だと考えます。例えば、今回の論文5ページ目を読むと、小学生6年生の男子は立ち幅跳びを平均約195㎝、同じく女子は平均約188㎝を跳んでいます。一度立ち幅跳びを実施してみて、これらのデータと比較すると良いかもしれません。データと比較してみて、足りていなければ立ち幅跳びの記録が良くなるトレーニングを実施してみても良いと思います。もしデータを上回っているのであれば、「心・技・体」のうち「体」は満たしていると考え、「心」もしくは「技」を磨いても良いと思います。

もう一つは、継続した体力測定を実施して、それらを記録に残し今回示されたさまざまなデータと比較すると良いと考えます。レスリングのトレーニングでは連続ジャンプやサイドステップなどの補強が実施され、それらは爆発的に前に跳ぶ力(瞬発力)や素早い動き(敏捷性)を身につけるために行うものと思います。トレーニングは、正しい方法で行うことでその効果が現れる可能性が高いことから、相手がいる試合での結果に加え、相手に左右されないトレーニング効果に目を向けると良いと思います。

少し長くなりましたが、研究論文は難しいものですので示されたデータ(数字)を基に、トレーニングに励むと良いと考えます。